本当にあった怖い話・不思議な話


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五つ星怪談







☆━━━━ 【 合図 】 ━━━━☆




 九十五歳になる父の誕生日に、無料診察を受けるため多摩市の

 病院を訪ねたときこと。



 父の診察が終わるまで、所在なく待合室のベンチに座っていた。

 すると、向かいに座っている若い女性が、しきりに私に合図する。

 彼女は私の後ろを指差して、何かを伝えようとしていた。



 ん? と思って反射的に振り向く。

 すると、そこには十七年前に亡くなった母がいた。

 生前と同じ姿で、笑って立っていた。



 何の違和感もなく、幽霊のようなあいまいさもなく、

 しっかり立って私をやさしく見ている。



 「お母さん、どうしたの?」

 「お前も大変だねぇ、お父さんはまだまだ元気よ、見てやってね」

 「えっ?」

 その瞬間、母は消えた。




 私に合図した女性も、
 
          きょとんとしてこちらを見詰めている。




 幻だったのか? 私がうたた寝して見た夢なのか……?

 だが、彼女は間違いなく、私の後ろに立っている母を見ていた。



 私が気づかないので教えてくれたのだという。

 突然、母の姿が見えなくなったので驚いたらしい。



 それほどリアルだったということか。

 驚くべきは、向かいに座っていた女性も母を見たということ。

 これは何だろう、どう説明がつくのだろう……。


                  


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 ■投稿:ゴデバ405さん(女性・東京都)

 ※五つ星級の怖さ、不思議さのある怪談です。多くは出版物に掲載されました。
 ※投稿のストーリーを変えることなく、雲谷斎が加筆・執筆しました。

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