本当にあった怖い話・不思議な話


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【 五つ星怪談 】







☆━━━━ 【 骨になる 】 ━━━━☆




 ある年の正月の夜の出来事。
 
 毎度のことながら、夜中に突然目が覚めてしまった。

 お約束の金縛り。



 何とか金縛りを解こうともがいていたら、背後に何かの気配がする。

 それはギュッと私にしがみついてきた。



 普通なら恐怖を感じるところだが、

 「しばらくならいいか……」

 不思議なことに怖くはなかったので、ふとそう呟いてしまった。


 
 すると、自分の体がどんどん変化していく。

 指の先から少しずつ白骨化していくのがわかる。

 続いて口の周りが乾き、歯が剥き出しになって骨になっていく……。



 何度も舌で唇を舐めると、ちゃんと皮膚があることは確認できる。

 だが、白骨化していく感覚は生々しく、腕まて完全に骨になっていた。




(ああ、これは今しがみついてる子の状態なんだ……)
 そう思った。




 しがみついてるのは、まだ子供だということも理解できた。

 水色のジャージ姿のイメージも浮かんだ。

 すると、すっと体が楽になり、女の子はどこかに行ったようだった。



 翌日、テレビでニュースが流れていた。

 行方不明になっていた女の子が、遺体で発見された……と。

 この子だと思った。



 見つかってよかった。

 お母さんのところに戻れたね、逢いたかったんだよね。



 戻れてよかった、という感情が溢れて私は涙が止まらなかった。
 
 下校途中に行方不明になった女の子が、半年後に無惨な姿で見つかった事件。

 生前の女の子は、やはり水色のジャージを着ていた。



 しがみついてきた時の女の子の感情は、犯人を恨んではいなかった。

 (早く家に帰りたい……早く私を見つけて……)

 というものだった。本当に寂しかったのだと思う。


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 ■投稿:檸檬さん(女性・山口県)

 ※五つ星級の怖さ、不思議さのある怪談です。多くは出版物に掲載されました。
 ※投稿のストーリーを変えることなく、雲谷斎が加筆・執筆しました。


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