本当にあった怖い話・不思議な話


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【 五つ星怪談 】







☆━━━━ 【 かごめかごめ 】 ━━━━☆




 幼稚園の頃、園庭で数人の友達と『かごめかごめ』をして遊んでいた。

 いつもなら喜んで遊ぶのに、その日に限ってなぜかその遊びが躊躇われた。



 それでも始まった遊び。

 ♪~ かーごめ かごめ……手をつないでぐるぐる回っていた。

 鬼になって、輪の真ん中に座っている友達の姿が気になった。



 絶対、鬼になるのはイヤ、あそこには座りたくない! と思った。

 幼かった私は、やがてその遊びに熱中していったが、とうとう。



 「後ろの正面だーあれ?」

 「……み っ ち ゃ ん ?」

 鬼になってしまった。



 誰が私の名を当てたのか、男の子か女の子かも思い出せない。

 だが、一つだけ、やけにゆっくり自分の名が呼ばれたのを覚えている。
 


 ♪~ かーごめ かごめ……

 みんなの歌声の輪の中で、私は手で顔を覆ってしゃがみ込んでいた。



 歌が早く終わって、誰かを当てることだけを願っていた。

 だが、それはいつまで経っても終わらないゲームだった。
 


 「後ろの正面だーあれ?」

 「○○ちゃん?」

 「はずれー!」



 当たらなければ、何度も同じ歌が唄われる。

 二度、三度と繰り返される「かごめかごめ」。

 覚えているだけでも、五回以上は友達の名前を呼び続けた。



 「○○ちゃん?」

 「○○くん?」

 何回呼んでも返ってくる答えは「はずれー!」。



 あまりに当たらない私に、友達も戸惑いを隠しきれないようだった。

 誰かがポツリと言った。

 「もう、やめようか?」



 それを聞いた私は、嬉しさのあまりルールを忘れて顔を上げた。

 そのとき、耳元で友達とは違う子供の声がした。




 
「……もう、やめちゃうの?」
        
               



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 ■投稿:みちさん(女性・埼玉県)

 ※五つ星級の怖さ、不思議さのある怪談です。多くは出版物に掲載されました。
 ※投稿のストーリーを変えることなく、雲谷斎が加筆・執筆しました。


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