本当にあった怖い話・不思議な話


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【 五つ星怪談 】







☆━━━━ 【 見知らぬ女 】 ━━━━☆




 霊感のある知り合いがいる。

 その人と知り合ってから、奇妙な夢や幻覚を何度も見るようになった。



 寝ていると右腕に違和感があって、見ると細く白い手が一瞬見えたこともある。

 誰かわからない手が、私の腕を掴んでいる気がする。

 何かおかしい……と、薄気味悪さを感じながら毎日を過ごしていた。



 知り合いにそのことを相談した。

 「へぇ、気がついたんだね……」

 知り合いは、さらっと言う。



 それは、やはり女で、背後から私の両腕を掴んでいるらしい。

 「あなたはどこから来たの?」

 知り合いはその女に静かに話しかけた。



 ふんふんと頷いている様子から、女の身の上話を聞いている様子。

 その女は付き合っていた男に殺され、今も山中に埋められたままらしい。



 あまりにも寂しく、辛いので、早く掘り出してほしいという念が強いとか。

 どういう訳か、私と回路がつながってしまったというのだ。



 そんなことを言われても、私はそういう話にまったく縁もゆかりもない者。

 (私には無理です。何もできません)

 知り合いにそう伝えてもらった。



 その瞬間だった。

 ゾゾゾッと頭のてっぺんから足の先まで、痺れるような悪寒に包まれた。

 同時に、知り合いが「うわっ!」と叫び、私の目の前の景色が激変した。




 なんと、私は
天井近くに浮かび、
       
              知り合いや自分の体を見下ろしていたのだ。




 いわゆる幽体離脱というか。

 私は命の危機を感じ、激しくもがいた。



 バーン! という物凄い衝撃が走り、次の瞬間、元の光景が目に入った。

 運よく自分の体に戻れたようだった。
 


 「もしかして、連れて行かれるところだった?」

 心臓が早鐘のように脈打つなか、息を切らしながら知り合いに尋ねた。



 「ああ、マジでちょっと危なかった。半分ぐらい魂がはみ出てたからね」

 恐ろしいことを言う。



 すぐに、寺に御札をもらいに行った。

 気休めかも知れないが、幸いなことにもうあの女が現れることはない。


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 ■投稿:スズケンさん(男性・東京都)

 ※五つ星級の怖さ、不思議さのある怪談です。多くは出版物に掲載されました。
 ※投稿のストーリーを変えることなく、雲谷斎が加筆・執筆しました。


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