本当にあった怖い話・不思議な話


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【 五つ星怪談 】







☆━━━━ 【 キューピッドさん 】 ━━━━☆




 昔からあるこっくりさんという遊び。

 時代とともに、「キューピットさま」「エンジェルさま」などと

 名前を変えて流行っていた。



 私の小学校ではキューピッドさんとして、不思議な面白さにハマった

 多くの友達が、休み時間のたびに楽しんでいた。



 うちの学校では、十円玉ではなく鉛筆を使っていた。

 私も一度だけ、みんなと一緒に鉛筆を握ったことがある。



 「さぁ、やるよ……」

 目と目で合図をし、白い紙の上に立てた鉛筆を全員が指で持つ。



 ジリッ……鉛筆が動いた。

 キューピッドさんが呼び出された瞬間、私はザワッと背中から

 誰かに抱きすくめられるような感触に総毛立った。



 怖かったのは、質問の答えが合っていようといまいと、

 私の思うとおりに鉛筆が動いてしまうことだった。



 もしかして、無意識に自分で動かしているのかも知れないと思った。

 これはインチキかもと疑いはじめたとき、それが言った。

 というか鉛筆が動いた。




 
「ミチチャンワ ワタシガキライ?」
 




 白い紙にたどたどしい文字で書かれたメッセージ。

 私は恐怖のあまり、思わず鉛筆からパッと指を離してしまった。

 その後、私は二度とその遊びはしなくなった。



 ……だが、まだそれで終わった訳ではなかった。

 数年後、私が中学生になると、またキューピッドさまが流行りだした。



 隣のクラスの女の子がおかしくなってお祓いをしたとか、

 一年生がキューピッドさんに言われたとおり階段から落ちたとか、

 そんな妙な話が流布していた。



 学校からは禁止命令が出た。

 だが、禁止されればされるほど隠れてやりたくなる。



 ある日、友達数人が放課後の教室でこっそりとそれをやった。

 私は数年前の嫌な記憶が残っていたので、見てるだけにした。



 キューピッドさんが呼び出され、他愛もない恋愛の質問に答えはじめた。

 私は少し離れた机の上に腰掛けていたのだが、なぜか居心地が悪い。

 と、その時。



 スル……ピタッ……。

 机の下にぶらぶらさせていた足首に、生温かい何かが触れた。



 何かは撫でるかのように、何度も何度も、

 しつこく私の足首に気味悪く触れてきた。

 (やばい……!)何年か前の恐怖が私に甦ってきた。



 「先生が来るかもしれないから、もうやめようよ!」

 「もうちょっとね」



 私の忠告に耳をかさず、禁断の面白さに夢中な友人たちは遊びを続けた

 私はその場から逃げようとしたその時、鉛筆が激しく動き出していた。

 そして、紙に書かれた言葉は……。



 「ヒサシブリ マダ キライ?」




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 ■投稿:みちさん(女性・埼玉県)

 ※五つ星級の怖さ、不思議さのある怪談です。多くは出版物に掲載されました。
 ※投稿のストーリーを変えることなく、雲谷斎が加筆・執筆しました。


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