本当にあった怖い話・不思議な話


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【 五つ星怪談 】







☆━━━━ 【 石碑 】 ━━━━☆




 ずいぶん昔のこと、友だち数人と地元では有名な心霊スポットを

 探検する計画が持ち上がった。



 そこは旧道の狭いトンネルで、使われていないために封鎖されている。

 だが、廃墟マニアや心霊スポットの仕業で、鉄製の門は壊されていた。



 人の手で掘ったであろうトンネルは、相当の雰囲気があった。

 ここは心霊スポットとして地元では有名なので、午前二時頃の今でも

 我々以外にも何人か突入している者がいた。



 「これだけ人がいたら、出るものも出ないんじゃない?」

 などと軽口を叩きつつ、トンネルを歩くことに。



 トンネルは真っ暗で、懐中電灯の光だけがごつごつした岩肌を照らす。

 荒々しい影が不気味さに拍車をかける。

 侵入者のスプレーの落書きがあり、かなり荒らされている印象だった。



 トンネルを抜けると石碑が立っていた。

 トンネルが開通した記念に建てられたもののようだった。



 「これだけ見物人が多いと心霊写真はダメだね。幽霊も出られないよ」

 「そうだよな。じゃあ、ちょっと挑発してやろうか」



 仲間受けを狙って、自分は石碑に立ち小便をした。

 さすがにみんなは止めたが、特に怖いとは思わなかった。

 異変が起きたのはそのすぐ後。




 会社の寮の
部屋の室温が異常に高くなった。
 




 もちろんクーラーはつけている。

 狭い六畳なので寒いくらいに効くのに、部屋の外よりも暑い。

 クーラーに手をかざすと確かに冷たい風が出ている……。



 すべての電気製品のコンセントを抜き、発熱するものをなくしてみた。

 それでも部屋が異常に暑い。

 おそらく、石碑への立ち小便が原因ではなかと思った。



 秋になり、外は涼しくなったのに、このの部屋だけが「夏」だった。

 訳のわからないまま、部屋の温度上昇は三か月ほど続き、突然終わった。



 後日、両親にこの異変を話すと、衝撃の事実が判明した。

 昔、祖母の家の隣に住んでいた人が、その石碑のある場所でリンチを受けた。

 ガソリンをかけられて焼き殺されたという。



 その犠牲者の名前も顔も思い出せないが、私は会って話したことがあるそうだ。

 だが、そんな記憶がまったくない。

 (石碑あたりで、焼き殺されたのか……それで部屋が暑くなったのか……?)



 犠牲者が私のことを覚えていたのだろうか。

 石碑に小便をした祟りではなく、私に何かメッセージを伝えたかったのか……?




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 ■投稿:D.Oさん(男性・福岡県)

 ※五つ星級の怖さ、不思議さのある怪談です。多くは出版物に掲載されました。
 ※投稿のストーリーを変えることなく、雲谷斎が加筆・執筆しました。


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