本当にあった怖い話・不思議な話


【 メルマガ怪談集 】







∴‥∵‥∴‥∵ 「 三つの墓 」 ∵‥∴‥∵‥∴





 ある年の四月、その日は天気がいい割りには風の寒い日だった。

 甥と姪を連れて遊びに出かけ、帰りのバスに乗っていた。

 と、ある墓地の前で信号待ちになり、バスが停車した。



 何気なく墓地に目をやると、陸軍の兵隊の墓が三つ並んでいた。

 私の住む福井県勝山市では、陸軍の戦死者なら星印。

 海軍なら錨印が彫られている。



 先祖代々の墓とは別に建っていて、階級と名前が刻んである。

 (兄弟なんやろか? どこの戦地で亡くなったんやろか……?)

 その墓を眺めながら、そんなことをふと想像した。



 その夜のこと……奇妙な夢を見た。

 見渡す限り、何もない荒地。

 地平線の彼方まで、ただただ荒涼とした場所に立っている。



 (どこや、何や、ここは……?)

 夢の中でもとまどいながら、荒野を見渡していた。

 すると、いきなり三人の兵隊が身を低くしてすばやく出てきた。



 その兵隊の一人が走り出て、前方の土盛りに身を潜めた。

 敵を警戒するかのように、しばし辺りの様子を窺っている。

 すると突然、私の前に立って、両手を腰に当てて笑顔で言った。




 
「どうや、こんな所や! わかったか?」




 兵隊は細身で、目は帽子の影で見えないが、口元は確かに笑っていた。

 その直後、私はいきなり目覚めた。



 私は『答』を知った。いや、感じたと言うべきか。

 (あの兵隊たちは、満州で亡くなったんやな……)と。




 投稿のストーリーを変えることなく、雲谷斎が加筆・執筆しました。
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 ■投稿:ゴリラさん(男性・福井県)
 ■読者の採点 3.22点  

 ◆雲谷斎のイッチョ噛み
  「異国で亡くなった兵隊さんと波長が合うたんでっしゃろか。
  国へ連れて帰ってくれとか言われたらどえらいこっちゃ」

  
◆2017.08.15発行 逢魔が時物語メルマガ【戦争にかかわる怪談】より
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