本当にあった怖い話・不思議な話


【 メルマガ怪談集 】







∴‥∵‥∴‥∵ 「 お誕生日会 」 ∵‥∴‥∵‥∴





 母が小学校の三年か四年、昭和三十年代の終わり頃のこと。

 当時、母は山口県の周東町(現・岩国市)に住んでいた。



 山あいの田舎町だが、岩国の米軍基地からそう遠くない。

 アメリカの文化や商品が入ってきて、田舎にしては洒落た雰囲気があった。
 


 ある日、母はクラスメイトのお誕生日会に呼ばれた。
 
 同学年の女の子全員が招待されていた。

 田舎の学校だったので、女の子は母も含めてたった七人だった。



 皆で待ち合わせて友達の家に行き、客間に通された。

 友達のお母さんが、ジュースのグラスを載せたお盆をテーブルに置く。

 みんなグラスを取ったが、一つ余った。



 今度は、お母さんが切り分けたケーキを持って来てくれた。

 ところが、ケーキもやはり一つ多い。

 みんなはお母さんの数間違いだろうと思った。



 「お母さん、数が違ごうちょる。一個多いよ」

 その家の友達が笑いながら注意した。

 すると、お母さんは思いもかけないことを言う。




 「さっき男の子がおったじゃないの。あの子はどうしたん?」




 友達はすぐに否定した。

 「男の子なんかおらんよ。その子、誰?」

 「知らん子じゃけど……」

 そう言って、お母さんも怪訝な顔をした。



 田舎町なので、町じゅうの子供の顔は見知っている。

 知らない子がいること自体が有り得ないことなのだ。

 七人の女の子の中に、男の子が紛れ込んでいれば誰でも気づく。



 友達のお母さんが、冗談で子供たちを怖がらそうとしたとは思えない。

 そんな悪戯をするような人ではなく、そのときの表情も真剣だった。



 結局、その男の子の正体はわからずじまいだという。




 投稿のストーリーを変えることなく、雲谷斎が加筆・執筆しました。
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 ■投稿:豆狸さん(男性・山口県)
 ■読者の採点 2.60点  

 ◆雲谷斎のイッチョ噛み
  「あの世にはケーキ屋がないんやろか? 亡くなったパティシエが
  極楽にいてたら、そっちでもケーキ作ったってくれよ」

  
◆2017.08.30発行 逢魔が時物語メルマガ【子供にかかわる怪談】より
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