本当にあった怖い話・不思議な話


【 メルマガ怪談集 】







∴‥∵‥∴‥∵ 「 重い友達 」 ∵‥∴‥∵‥∴





 友人の兄は夏のある夜、友達数人と肝試しをすることに。

 福岡県では有名な、旧犬鳴トンネルに行った。



 そのトンネルは、何度もテレビの恐怖番組で取り上げられるほど。

 多くの怪現象や幽霊が目撃された、と噂されている場所だった。



 今は新しいトンネルが通ったので、旧トンネルは使われていない。

 だから余計に、心霊スポットとしてここを訪れる人が後を立たない。



 彼らは車を降りて、歩いてトンネルに入ることにした。

 メンバーは全員、特別に霊感がある訳ではなかった。

 だが、不気味なトンネルに近づくにつれ、肌寒い空気が漂ってくる。



 まぁ、肌寒いぐらいでだけで、特に何があるということはなかった。

 「何も無さそうだし、トンネルの中へ入ってみようか?」

 ちょっと腰は引けていたが、彼らはトンネルに足を踏み入れた。



 トンネル内は真の闇で、月明かりが届くはずもない。

 手元の懐中電灯だけを頼りに進んでいった。

 足元が暗く危ないので、皆はゆっくりと歩を進めた。



 押し黙ったまま、しばらく歩いて半ばまで来た辺りだろうか。

 突然メンバーの一人が立ち止まった。



 「ヤバイ……みんな帰ろう」

 「何だよ、怖いのかお前?」

 皆は笑いながら彼を照らしたが、彼は蒼白の顔で唇を震わせている。




 
「違うんだよ……オレ、誰かに足捉まれてる……」




 一瞬で血の気が引いた皆は、すぐ彼の足元を照らすが何もない。

 だが、彼はますます顔色が悪くなっていく。

 皆はまだ冗談だろうと思っていたが、事態はもっと深刻だった。



 「ほんと、ヤバイよ、足動かねぇ」

 掠れた声で怯えたように言うので、慌ててトンネルを出ることにした。
 


 ところがである。

 歩けなくなった彼を友達がおぶった時だった。

 彼一人分より、明らかに重く感じられたというのだ。



 人一人分とは思えないほど、異様な重さを皆で支えて背負った。

 なんとかトンネルを出て車に戻る頃には、彼も落ち着きを取り戻した。

 ふらふらとしながらも歩けるようになった。



 奇妙なことが一つ。

 彼を背負っていた友達によると、トンネルを出る前と後では

 重さが間違いなく違ったというのだ。



 彼もトンネルを出るまで、ずっと足を掴まれてたままだったという。

 もしかして、何かを引き摺ったまま背負っていたのか……?




 投稿のストーリーを変えることなく、雲谷斎が加筆・執筆しました。
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 ■投稿:THの弟さん(男性・福岡県)
 ■読者の採点 3.83点 

 ◆雲谷斎のイッチョ噛み
  「そこ有名な心霊スポットですやん。誰が足掴んだんやろ?
  道路公団のオッサン……な訳ないやろ。トンネルの主やね」

  
◆2017.09.30発行 逢魔が時物語メルマガ【隧道にかかわる怪談】より
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