本当にあった怖い話・不思議な話


【 メルマガ怪談集 】







∴‥∵‥∴‥∵ 「 残業の日 」 ∵‥∴‥∵‥∴





 あまり広くない会社の事務所は、鍵型のレイアウト。

 冬のある日、もう夕方六時頃で外は真っ暗だった。

 残業は私と右奥の席にいる女子社員二人だけだった。



 やっと仕事を終えた私は、席を立って奥の二人のところへ行った。

 少し談笑してから、カバンの置いてある自分の席へ戻る。

 帰ろうと、正面に見える窓を鏡代わりにしてスカーフを巻いていた。



 すると、私の後ろをすぅーっと通る者がいた。

 白いニットスーツにおかっぱ風の女の子、あどけない笑顔をしていた。



 (な〜んだ、この娘も残業してたのか……)

 ほっとした瞬間、すぐ私は気づいた。

 (えっ? そんなはずはない!)



 私は急に怖くなり、二人の女子社員の元へ逃げるように駆け寄った。

 「今ね、お化け見ちゃったよ〜!」

 鳥肌を立て、興奮して打ち明けた。



 事務所に私たち以外、誰もいなかったことを二人とも知っている。

 当然のことながら信じようとせず、見間違いだというばかり。

 その時は、気のせいだったのかと思ったのだが……。




 じつは……半年ほど前、

 会社の女子社員が事故で亡くなっていたのだ。





 会社の前の通りで、清掃作業車に巻き込まれる不慮の事故。

 もちろん私は亡くなった彼女の顔は知らない。

 だから、おかっぱ風のヘアスタイルだったのかもわからない。



 ただ、私と苗字が同じだったらしいが……。




 投稿のストーリーを変えることなく、雲谷斎が加筆・執筆しました。
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 ■投稿:本当は怖がりチャンさん(女性・東京都)
 ■読者の採点 2.80点 

 ◆雲谷斎のイッチョ噛み
  「同じ苗字ということで、親近感持ちよったんですかねぇ。
  事故で亡くなって、まだ会社に未練があるっちゅうことやな」

  
◆2017.10.30発行 逢魔が時物語メルマガ【事故にかかわる怪談】より
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