本当にあった怖い話・不思議な話


【 メルマガ怪談集 】







∴‥∵‥∴‥∵ 「 同僚の力 」 ∵‥∴‥∵‥∴





 若い頃、バスガイドをしていた。

 同僚のその子は、すごい『力』を持っていた。

 バスガイドというと、旅館などで訳ありの部屋に通されることが多い。


 「ここ、危ない」

 「ここ、怪しい」

 たまたま彼女と同室だったりすると、一発で御札のありかを見つける。



 私が現役だったのは三十数年前。

 さすがに、額縁の裏とか掛け軸の裏とかに御札があることは少ない。

 しかし、ごく稀にはまだ見つかることがあった。



 テレビの裏、金庫の底、テーブルの裏、そんなところに御札があった。

 『効力』のある御札ならいいが、いい加減な御札も多かった。



 彼女は見つける力は凄かったが、祓う力はまったくない。

 違う部屋に頼みこんで同室してもらうとかで乗り切っていた。



 相当な数の闇の者たちと接すると、慕われることもあるそうだ。

 早々と退職した彼女は、引越しと転職を余儀なくされていた。



 当時、脚光を浴びたウォークマンを発売当初の高額で買ったのも

 余計な音を聴きたくないためだったそうだ。




 (逃げ切れるとは思わないけど……)

 たぶん、そう悟っていたのだろう。





 職場での別れの日、彼女は諦めのような微笑みを浮かべて言った。

 「時空も距離も関係ないからね、ヤツラは……」

 そこまで言ってから「いや……方たちだからね」と。



 それはまるで、何かがそばに居て、話を聞かれているような素振りだった。




 投稿のストーリーを変えることなく、雲谷斎が加筆・執筆しました。
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 ■投稿:山江まろんさん(女性・東京都)
 ■読者の採点 2.75点 

 ◆雲谷斎のイッチョ噛み
  「添乗員やバスガイドは、訳あり部屋をあてがわれる事が多い。
  霊感があって、そんなババを引いたら堪らんですね」

  
◆2017.11.15発行 逢魔が時物語メルマガ【霊感にかかわる怪談】より
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