本当にあった怖い話・不思議な話


【 メルマガ怪談集 】







━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
≪≪≪ 赤灯台 ≫≫≫
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━






 昔、友人と肌寒い秋の夜に姫路の妻鹿港へチヌ狙いに行った。

 渡船の乗客はまばらだった。

 これはポイント選びが楽だと、いい気分で波止一文字へ着いた。



 三百メートルほど先の波止の先端に、赤灯台が見えている。

 私たちは船を降りた手前で釣りを開始。



 しかし、なかなかアタリがない。

 潮も動かないのでハズレかなと思いながらも粘っていた。

 やがて、半夜釣り客を迎える渡船が来た。



 我々以外の釣り人は全員船に乗った。

 午後十時を過ぎていて、波止は暗く静かになった。

 一文字は貸し切り状態だが、未だに釣果はなかった。



 迎えの渡船は朝七時なので、のんびり釣ることにした。

 深夜十二時になっても、アタリ無しが続く。

 一時前、相棒は疲れてゴロリと寝袋で仮眠に入った。



 私はテトラのポイントで釣りを続行することに。

 深夜二時前だろうか、妙な気配を感じた。




 ふと、ずっと先の

    
赤灯台の方を見ると、子供の姿がある。




 小学三、四年の男の子のような様子だった。

 波止の先端にある灯台の周りをグルグルと回っている。



 (おかしいなぁ……)と思った。

 釣り客はみんな帰ったし、新たな客は下りていないはず。

 もしかして、親子はテトラに降りて釣っていたのかと思った。



 子供一人を放置して、無責任な親だなと思った。

 灯台下は、かすかにオレンジ色の淡い光が射す程度。

 その子の顔までは確認できない。



 波止の先端のケーソン落ち込み場所で走り回るとは。

 夜に海へ落ちれば消息不明になるだろう。



 十分ほど子供の走る姿が見えていた。

 釣りで目を離した時だろうか、いつの間にか姿はなかった。

 親の所へ行ったのかなと思った。



 するとまた、二時半頃にあの男の子の姿が……。

 やはりおかしい、どうなっているのだろう。

 相変わらず親らしき姿はどこにも見えない。



 再び灯台の周りをぐるぐると回り始めた。

 私は気をつけて見ていたが、三時になるまでに二度目撃した。



 「ああ、よく寝たなぁ……」

 相棒が目覚めたのも三時で、振り返るともう子供の姿はなかった。



 相棒に波止の先端に子供がいたと話す。

 「それはないだろぅ、俺達しかいないはずだ」

 至極、当たり前に答える。



 朝になればわかることなので、相棒とまた釣りを始めた。

 やっとアタリがあり、チヌ一枚は上がった。



 明け方、六時半頃に渡船が迎えに来た。

 薄明りの中、波止の先の親子連れを探すがどこにも見えない。

 渡船の帰り客は我々二人のみだった。




 投稿のストーリーを変えることなく、雲谷斎が加筆・執筆しました。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ■投稿:赤同さん(男性・兵庫県)

 ◆雲谷斎のイッチョ噛み
  「おいおい、あかんでぇ。こんな話聞いたら波止で夜釣りできへん。
  そやけど眼下では、真っ暗な海が落ちて来いと誘ってるんや」

  
◆2018.01.20発行 逢魔が時物語メルマガ 【視】にまつわる怪談より
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



メルマガ登録(無料)はここから