本当にあった怖い話・不思議な話


【 メルマガ怪談集 】







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≪≪≪ 花嫁 ≫≫≫
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 北関東の某村でお伽話のような事件が起きた。

 親父がまだ子どもだった時で、小学校に上がるか上がらない頃。



 親父のその父親(つまり、私の爺さん)が、町から馬を引いて帰って

 きた。



 「お客さんだよ!」

 爺さんは、家の奥に向かって大声を張り上げた。



 (え、こんな時間にお客さんって、誰だろう……)

 親父たち兄弟はもの珍しそうに戸口の前に出て、好奇心の塊のような

 顔つきで集まった。



 祖父の連れている馬は妙に落着きがない。

 ヒヒーンといなないたり、小刻みに足をパコパコと動かし続けている。

 みんなはてっきり、知らないお客さんが一緒だからだと思っていた。




 ところが馬の背には、太い縄でグルグルに縛られた綺麗な毛並みの

 狐がいて、怯えた目で辺りをキョロキョロ見ている。




 爺さんの話によると、町からの帰り道、日暮れどきに峠道にさしか

 かった。

 すると、峠道にふるいつきたくなるような綺麗な花嫁が立っていた。



 驚いた爺さんが、花嫁姿の女に一人でどこへ行くのかと尋ねた。

 すると、自分の住んでいる○○村まで行くという。



 そこで爺さんは はて? と思った。

 小さな村である。今日はどの家も、婚礼があるとは聞いていない。



 それよりも馬は、花嫁姿の女の横で落着きを無くしている。

 尋常ではないようにいななくし、少し暴れてもいる。



 そこで爺さんは、ははーん、これは狐が騙しているなと思った。

 馬を落ち着かせながら、花嫁に向かって言葉をかけた。

 「わしは、その○○村まで帰るから馬に乗りなさい」



 暴れる馬をなだめ、花嫁を馬に乗せた。

 花嫁がなんとか馬上に座った途端、用意した縄でその花嫁をグルグル

 と縛りあげた。



 そして、家に帰り着く頃には、花嫁は狐に戻っていたとのこと。

 さてその狐だが、もう人を騙してはいけないよと言い聞かせて、

 放してやったという。




 投稿のストーリーを変えることなく、雲谷斎が加筆・執筆しました。
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 ■のぶさん(男性・東京都)

 
◆雲谷斎のイッチョ噛み
 「♪〜坊や いい子だ ねんねしな〜 日本昔話ですやん。
  人にも動物にも優しい時代やったんですねぇ」


 
◆2018.04.30発行 逢魔が時物語メルマガ【獣】にまつわる怪談より
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