本当にあった怖い話・不思議な話


【 メルマガ怪談集 】







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≪≪≪ 幽霊騒ぎ ≫≫≫
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 二十年以上ほど前になるが、長野県の天竜川沿いに新しく

 道路工事が始まった。



 早朝から深夜まで工事をしているので、工事関係者が寝泊り

 できるよう空き家を借りることになった。

 しばらくすると、工事関係者から噂が立ち始めた。



 よくある平屋の古い家に、夜な夜な老人の幽霊が出るというのだ。

 そうなると、工事関係者は怖がって泊まりたがらない。

 何てことはない、よくある平屋の古い家なのだが……。



 家の背後は崖がせり出し、上から竹林が覆い被さっている。

 崖上の樹木が生い茂った中に、寂れた祠がポツンとある。

 家の右側に車一台がやっと通れる道がある。



 その道の正面は墓地で、いわば八方ふさがりの状態。

 そんな立地の奥まったところに問題の家があった。



 さて、無理もないが、作業員たちは幽霊の噂を怖がった。

 そこで神社の神主さんを呼んでお祓いをしてもらう。

 さらに、一晩中煌々と電気を灯したりするようになった。



 ところが、なんと幽霊が捕まった!? という知らせが入る。

 幽霊は、工事現場近くに住んでいた爺さんだという。



 早朝深夜の騒音がうるさいので、作業員に文句を言うため、

 家の前にボ〜っと立って中の様子を窺っていた。

 その姿を作業員が、幽霊と間違って騒いだらしいのだ。



 爺さんはそれに味をしめた。

 夜になると、作業員を脅かしに行っていたらしい。



 話はここでチャンチャン、となるはずだったが……。



 それから二年ほどして、私は会社を転職し東京へ移った。

 そして、十年ぶりに東京を引き払い、また田舎に戻って来た。

 家の前にはバイパスが通り、田舎はガラリと変貌していた。



 ある日、ふとあのお騒がせの家のことを思い出した。

 興味本位で見に行くと、家はまだあった。

 誰も住んでいる様子はなく、廃家と化していた。



 周りの木々はさらに成長し、家を半分くらい覆い隠している。

 家に通じる道も雑草に埋もれ、誰も足を踏み入れた形跡はない。



 家に帰り、何気に父に尋ねてみた。すると。

 「あの家はやっぱり変だぞ」と言う。



 道路工事が終わった後、その家を一般の貸家にしたらしい。

 しかし、住人が入っても二ヶ月ももたない。

 早ければ、たった一ヶ月で出て行ってしまうというのだ。



 最後に独居老人が半年ほど住んだが、結局、孤独死した。

 それ以来、人に貸すのはやめたようだという。

 何があったか知らないが、やはり良い家ではないと父は言う。



 この家のある地区に住む友人にも話を聞いてみた。

 「ほら、爺さん幽霊が捕まっただろ? でも、工事関係者から

 こんな話が出たんだよ。あの爺さんも見たけど、姿、顔が

 明らかに違う別の爺さんや、さらには、女も見たとかいうのさ。

 しかも、あの家の中でだよ……」



 工事が済むまで、あの家は何度もお祓いをしていたそうだ。




 投稿のストーリーを変えることなく、雲谷斎が加筆・執筆しました。
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 ■ワカメさん(男性・長野県)

 
◆雲谷斎のイッチョ噛み
 「ホンマもんの幽ちゃんがおったちゅうことですか。
  素人の生きた爺さん幽霊が下手くそったから、出てきた?」


 
◆2018.06.10発行 逢魔が時物語メルマガ【異】にまつわる怪談より
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