本当にあった怖い話・不思議な話


【 メルマガ怪談集 】







∴‥∵‥∴‥∵ 「 背後 」 ∵‥∴‥∵‥∴





 あれは小学三年生か四年生の頃。

 兵庫県明石市の六畳二間の借家に、両親、妹と四人で暮らしていた。



 ある日の午後、学校から帰り、洗面台で手を洗っていた。

 洗面台は幅半間、奥行き一間の廊下の突き当たりにあった。

 洗面台を正面にすると、右側の壁の後方が出入り口になっていた。



 水を出して手を洗っていると、不意に背後が気になった。

 ハッ! と思って、とっさに後ろを振り返る。



 ただ、人や何かの気配を感じて振り向いたのではない。

 本当に不意に、後ろが無性に気になって振り向いたのだ。

 すると、ほんの一瞬だったが、はっきりと見てしまった。




 
土気色をした腕と手が、

 スッと背後の出口へ引っ込んだのを……。




 見たものが異様だったので、物凄くドキッっとした。

 ただ、家には母親がいた。



 (ははぁ〜ん、お母さんが覗きに来たんだな)

 そう思い込んで、母親の元へ行って確かめてみた。

 しかし、答えは「はぁ? 行ってないよ」だった。




 投稿のストーリーを変えることなく、雲谷斎が加筆・執筆しました。
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 ■投稿:S・Tさん(男性・兵庫県)
 ■読者の採点 3.00点 ★ 

 ◆雲谷斎のイッチョ噛み
  「その借家は、どす黒い色をした『腕』付きの物件やったんでしょう。
  たぶんその分、家賃はちょっとだけ安かったはずです」

  
◆2017.04.15発行 逢魔が時物語メルマガ【手にかかわる怪談】より
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