本当にあった怖い話・不思議な話


【 メルマガ怪談集 】







∴‥∵‥∴‥∵ 「 廊下を来る白 」 ∵‥∴‥∵‥∴





 中学一年のとき、宮城県の学校で寮生活をしていた。

 寮生の部屋は、廊下を挟んで向かい同士に六部屋ある。

 角を曲がると洗面所、また曲がると食堂への板張りの廊下。



 県内の寮生はみんな、土曜に親が迎えに来て日曜に戻ってくる。

 その間、県外の私だけが独りで寮に残る。



 自分一人だけなのに、丑三つ時になると足音がする。

 食堂から洗面所を通り、私の部屋の前までギシッギシッ……と。

 板張りの廊下を、誰かが歩いて来るような軋み音がする。



 「誰かいるの……?」

 怖くなり、布団をかぶって一回だけ訊いてしまったことがある。



 すると、音は部屋の入り口辺りの天井を伝って歩いてきた。

 ちょうど自分が寝ている真上辺りまで、ギシッギシッっと。



 部屋から食堂まで戻るように音が去っていった時、正体を見たことがある。

 洗面所から食堂辺りをそぉっと覗いてみた。

 すると……。




 白っぽい
オーラのような人の形をした発光体がいた。

 足音を立てるのに、足の部分はなかった。




 その瞬間、見てはいけないものを見たような気がした。

 「見てません、ごめんなさい」

 すぐ部屋に戻り、なぜか布団をかぶってひたすら謝っていた。



 なぜ、そう言って謝っていたのかはわからない。

 ただ、かぶった布団ごしに、部屋が妙に明るくなっていたようだった。

 何度も謝っているうちに部屋は元の暗さになった。


 それからも、丑三つ時になると歩いてくるような音がした。

 部屋の入り口辺りで音が止まると、私は合掌するようになった。

 「何も見えませんから、お帰り下さい」

 何度か言うと、帰っていくように音が遠ざかっていく。



 あの時、部屋まで来た明るいものを見てしまっていたら……。

 その寮は私の代が最後で、今は新築になっている。




 投稿のストーリーを変えることなく、雲谷斎が加筆・執筆しました。
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 ■投稿:さそりさん(男性・宮城県)
 ■読者の採点 3.00点 ★ 

 ◆雲谷斎のイッチョ噛み
  「白っぽい発光体は、永久名誉職の寮長やったんとちゃいますかね?
  夜中の見回りしてくれてはるんですわ、ちとコワいけど」

  
◆2017.05.15発行 逢魔が時物語メルマガ【写真にかかわる怪談】より
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