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【 逢魔が時物語メルマガ 】
episode. 1






実話怪談×小説

  どこにも無い怪談メールマガジン「逢魔が時物語」。
 その中から、実話怪談を掲載します。





まもなくPDF電子本が生まれます!
(実話怪談×小説×画像×動画)







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         episode.1「無人宴会」
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 Fさんの家は東京の豊島区で自営業をしている。

 住まいは鉄筋コンクリート四階建て。一階が事務所で、二階は書斎、
 三階は両親、四階に彼が住んでいる。

 ある日の午後、仕事中にちょっと四階に用事ができたので、
 とんとんと階段を上がっていった。

 二階の書斎に母がいるのを横目で確認し、三階への階段に足をかける。
 すると上から宴会でもしているのか、四~五人の老人が大盛り上がり
 で談笑している声が聴こえてくる。

 (おっ、やってるな……何だか楽しそうだなぁ)
 両親の住まいで、老人達が集まっているようだった。


 三階の踊り場に着いた瞬間だった。
 騒いでいた賑やかな声が、スイッチを切るように聴こえなくなった。


 彼は老人たちが気を使って、騒ぐのを止めたのかと思った。
 しかし、唐突な感じがどうもが腑に落ちない。
 三階の扉の透かしガラスからそっと中を覗いてみる。



 すると、人の気配などまったく無く、
 
                室内はシーンとして無人だった。



 (あれ? あれれ……?)

 訳がわからなかった。
 人が集まっているとすれば、母が二階の書斎にいたのは不自然。

 この日、父は午後から出かけ、母だけが書斎で事務仕事をして
 いた。もちろん四階の彼の部屋には誰もいない。

 もしかして書斎のテレビが点いていたのかと思い、階下に降りて
 みたが音が出るものは何もなく、静寂そのもの。

 陽が降りそそぐ真昼間からの異変だった。
 彼は少なからずゾッとしたのだが、なんとなく理由がわかった
 ような 気がした。

 年老いた父母ではあるが、毎日出かけるほど忙しく友達づき合い
 を続けている。
 しかし、父母の友人達の中には亡くなった人も多い。

 つまり、そんな仲の良かった人達が、いつも遊んでいた部屋に
 あの世から集まって来たのではないかと。

 そう思うと怖い気持ちが薄れ、
 (集まるのは、今日だけじゃないんだろうなぁ・・・)
 と、次を期待する気持ちになってしまった。



 
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 episode.1「無人宴会」 投稿:forest-hermitさん(男性・東京都)
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 電子本「逢魔怪奇探偵団」は、実話怪談投稿を元に雲谷斎が大幅に読み物として執筆。





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