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episode. 12






実話怪談×小説

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          episode.12「暗転の街灯」
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 それはある寒い季節の夜のこと。
 Gさんという女性は、近所の学校の横に車を停め、彼氏と話していた。

 右側が学校で、左側は雑木林が広がっている。
 その道の先には住宅が並んでいるが、この辺りに人通りはない。

 一時間ほど経った頃だろうか。
 道のずっと先に人影が現れ、学校に入って行ったように見えた。
 当然、先生か学校関係の人だろうと思った。

 しかし、時間が時間だった。もう夜の九時を過ぎている。
 こんな遅い時間に、学校へ来る人がいるのかなと思った。
 しばらくすると、放し飼いらしき犬が車の横を歩いて前に行った。

 街灯が車の前方をぼんやりと照らしている。
 犬はその先の暗がりに消えようとした、その瞬間。
 何かに飛び上がるように驚いて、全力で逃げるように走り戻ってきた。

 その様子を見ていた二人も驚くほどの疾走だった。
 どこかで救急車のサイレンが聴こえていたので、そのせいかも知れない。

 なんだ、臆病な犬だなとホッとしたのも束の間。
 すぅーっという感じで、街灯が消えていったのだ。
 車を停めているすぐ前の街灯が、調光のように真っ暗になった。

 電球が切れたという感じではない。
 すると今度は、はらはらと木の葉が、まるで雪のように降ってきた。
 季節は冬だったので、残っていた枯れ葉が落ちてきたのだろうか。

 それは非現実的にきれいだったので、二人は黙って見とれていた。
 その時……、

 (あ、街灯がまた点きそう……)
 消えていた街灯が、じわじわと点きそうになっている。
 真っ暗闇だった車の周りは、少しずつ浮かび上がっていく。



 
 ふと気づくと、人が二人、車のフロントガラスの前に立っていた。



 しかし、なぜか彼らの姿は眩しくてよく見えなかった。
 車のライトに反射しているのだろうか。
 大学生くらいの二人組みで、からかい半分で覗いていたのかと思った。

 すぐに彼らは車の横を通って視界から消えた。
 その瞬間、街灯がパッと元の明るさに点灯した。

 しばらく口を閉じていた彼氏が、震える声で言った。
 「あれ……人間じゃなかったよね……」
 「まさか。だって、ジャージみたいの着てたじゃん」

 「顔、見えた?」
 「眩しくて見えなかったけど……」

 「……顔がさ、無かったんだよね」
 「嘘! 人だよ! 私追いかけてみる!」
 外に出ようとした私を彼がとっさに止めた。

 外をよく見ると、車のライトは初めから消してある。
 彼らがライトに反射する訳がなかったのだ。
 ということは、自らが発光していたということか……。

 無数の葉っぱだけが道路上に散乱していた。
 だがその日、風はまったく無く、ここ以外葉が落ちている木は一本も
 無かった。

 私たちは無言で車を発進させ、その場所から遠く離れた。



 
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 episode.12「暗転の街灯」 投稿:ごまちゃんさん(女性)
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 電子本「逢魔怪奇探偵団」は、実話怪談投稿を元に雲谷斎が大幅に読み物として執筆。





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