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【 逢魔が時物語メルマガ 】
episode. 13






実話怪談×小説

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          episode.13「激務脱出」
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 Gさんは地元のある会社に入り、総務部に配属になった。

 「パソコンを覚えて、プログラムを組めるようになってくれ」
 そう言われ、一日三時間足らずの睡眠時間で勉強をはじめた。

 三ヶ月も過ぎた頃。
 夜中に事務所のソファーで横になっていると、うっかり寝てしまった。
 十五分うたた寝していると、突然目が覚めた。

 すると、足元の方からパタパタパタ! と足音が近づいて来る。

 ソファーで寝転がった目の高さだった。
 サンダルを履いた女の足首から下だけが、通り過ぎるのが見えた。
 その足を見て、女性の上司の足だと思い、慌てて仕事に戻った。

 その時は、それほど疑問に思わなかった。
 そんなことがあった後日、自宅で寝ていると変な夢を見た。

 地中から上へ伸びるトンネルがある、山の断面図のような風景。
 次の瞬間、彼はトンネルの中を四つん這いになって上がっていた。
 大勢の人が前後にいて、やはり上を目指して上がっている。

 途中で、四角い広い場所に出た。
 そこから見上げると、狭いトンネルを上っていく人の群れ。

 (こんなとこイヤだなぁ~、もう家に帰りたい)
 そう思った瞬間、目が覚めた。

 そんな奇妙な夢から一ヶ月後、今度は空を飛んでる夢を見た。
 眼下は一面の雲海で、進むと巨大な岩山が突き出ていた。
 白と黒と灰色がマーブル状に混じり、盆栽に使う石のような岩肌。

 頂上部分は平らで、そこにお寺がぽつんと建っている。
 (ほう、あんな所にお寺があるのか……)
 そう思った瞬間、お寺の中にいた。

 そこに勤務先の亡くなった会長が、ステッキをついて俯いて立っている。
 その背後には、数えきれないほどの黒い背広姿の男たち。

 (あっ、会長だ!)
 懐かしく見ていると、さっきの女上司が現れた。
 なぜか、会長に向かってえらい剣幕で怒っている。

 あまりの剣幕に気圧されて、私はその場から立ち去った。
 暗いお寺の中を進んで行くと、大きな甕(かめ)がたくさん置いてある。

 暗いし、気分も良くないし、夢の中でまた心から思った。
(ああ ほんとに嫌だなぁ。帰りたいよ……)
 本心でそう思っていると、突然お坊さんが現れた。



 「帰りたいのか? 帰りたいならその甕の中に入れ!」
     
 訳がわからなかったが、渋々その瓶の中に入った。


 すると、そこでパッと奇妙な夢から覚めた。

 その後、仕事も落ち着いてきた。
 やっと、普通の生活サイクルに戻ることができた。
 何度も繰り返し見たあのヘンな夢は、もう見なくなっていた。

 (たぶんあの時、過労で死にかけていたのかも……)
 ふと今思い出すと、そう思えるのだ。

 もし、夢の中で甕の中に入らなかったら、どうなっていたのだろう。



 
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 episode.13「激務脱出」 投稿:ゴリラさん(男性・福井県)
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 電子本「逢魔怪奇探偵団」は、実話怪談投稿を元に雲谷斎が大幅に読み物として執筆。





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