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episode. 18






実話怪談×小説

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        episode.18「恐山での夢路」
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 ある年の夏、Pさんは東北に家族旅行した。
 四泊五日の予定で、三日目には青森県の恐山へ行った。

 車で恐山に向かったが、彼にとってそこは大変不思議な所だった。
 かれは恐山で山に登った。
 登山をして四時間ほど経った時、今までとは違う風景に出遭った。
 
 それまではゴツゴツとした岩だらけの道で、とても歩きにくかった。
 しかし、その辺りには岩はなく、ただっ広い草原が広がっている。
 至るところに、四角い石が無数といっていいほど乱立していた。
 
 (ああ……ここは死んだ人が集まる場所になってるんだろうなぁ)
 荒涼とした光景に、直感でそう思った。
 人が死んだら、ここから天に上がっていくのだろうと解釈した。

 少し進むと、霧が薄くかかっている場所に出た。
 ただ、その場所の一部だけ、霧が濃くなっている所がある。
 よく見ると、地面から頭上遥かの高みまで霧は伸びて漂っていた。
 
 初めて目にする異様な光景だった。
 霧が地面と接するところは、すごく遠くにあるように見える。
 惹かれるように進んでいくと、少し歩いただけで霧の接地点に着いた。
 
 何気なくそこから振り返ってみる。
 すると、霧の濃くなっている部分が、さっきのいくつもの石にまとわり
 ついている。



 (そうか……あれは死者の魂が、天上界に上がっていくための
  道標になっているのか)素直にそう思った。
        



 夕方になって山を下り、車で宿に向かった。
 風呂に入り、食事をして、疲れていたので早目に寝ることに。
 そして、彼は不思議な夢を見る。

 夢の中で、彼は恐山の石のモニュメントのそばに横たわっていた。
 自分が死んで、その石のそばに安置されているのだと思った。
 しかし、なぜそんな縁起の悪いことを思ったのかはわからない。

 その後しばらくして、自分の体が何者かに引き摺られる感覚がある。
 気づくと、霧の濃くなっている辺りに移動させられていた。
 周りの景色は何も見えないくらい、濃い霧の中だった。 

 暗い冥界のような夢はそこで終わった。
 死者の集う恐山に行ったから、そんなおぞましい夢を見たのだろうか。

 目が覚めて現実に戻ると、外はまだ暗く午前四時ぐらいだった。
 家族はすやすやと眠っており、彼一人が目覚めていた。
 その時ふと、(ああ、そういうことか……)と思ったそうだ。

 彼は自分が死ぬのは、朝の四時ぐらいなのだろうと。

 旅を終えて家に戻り、また日常の生活が返ってきたが、
 あのような夢は、二度と見ることはなかったという。。



 
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 episode.18「恐山での夢路」投稿:プレフレックスさん(男性・愛媛県)
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 電子本「逢魔怪奇探偵団」は、実話怪談投稿を元に雲谷斎が大幅に読み物として執筆。





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