本当にあった怖い話・不思議な話


【 逢魔が時物語メルマガ 】
episode. 6






実話怪談×小説

  どこにも無い怪談メールマガジン「逢魔が時物語」。
 その中から、実話怪談を掲載します。





まもなくPDF電子本が生まれます!
(実話怪談×小説×画像×動画)







 ─────────────────────────────── 
 
         episode.6「厄日の別荘」
 ───────────────────────────────



 これもNさんという会社員が体験した話らしい。

 彼はある週末に友人に誘われて、友人が持つ別荘に行った。
 その別荘は神奈川県にあり、これまでも何度か訪れたことのある場所。

 周りも別荘が多く、夜中には物音一つしない静かなところだった。
 着いた夜からさっそく酒を飲み、酔った二人はそれぞれの部屋で寝た。

 深夜、ふと目が覚めると、隣の部屋からグォォォォ、グォォォ!
 という友人の派手ないびきが響いていた。

 ところが、そのいびきに混じって不思議な声がする。
 「ふんっ!」

 まるで、全力でバットでも振った時の風切音のような声。
 さらには「ゴホゴホゴホ」と咳き込むような声も……。

 友人のいびきは隣室から規則的に響いており、別人のようだった。
 さらに、その声は二階の空き部屋から聴こえてくるように思えた。

 別荘には友人と二人だけ、誰かがいるはずがない。
 怪しい声は明らかに男だった。
 やがて、「う、う、うっ……」と、悶絶するような声に変わった。

 ただ、ここまではさほど恐怖感は湧かなかった。
 (多分、隣の別荘の人の声が風に乗って聴こえているのだろう)
 そう自分を納得させていた。
 友人のいびきも、相変わらず派手に継続していたこともある。

 ところが、今度は二階からまるで空き缶を叩くような音がする。
 カンカン! カンカンカン!
 なにか挑発してくるような感じだった。

 これに反応して、ピタッと友人のいびきが止まった。
 友人も異常な音に目が覚めたのかも知れない。

 しかし、友人は自分の部屋から動く気配はなかった。
 じっと息を殺して、様子を窺っているかのように静かだった。

 私も謎の音の正体を調べに行く勇気はなかった。



 二階に得体の知れないモノが潜んでいるかと思うと、
           
         さすがに恐怖を感じてしまったのだ。



 頭から布団を引っ被り、じっと沈黙を守って全神経を逆立てていた。
 物音も声もしなかったが、いつまた始まるかと思うとたまらなかった。

 長い時間が経ったような気がする。
 いつの間にか、沈黙に負けて寝てしまったようだった。

 翌朝、何事もなかったかのように友人と顔を合わせたが、二人とも
 その話題に触れることはなかった。



 
───────────────────────────────
 episode.6「厄日の別荘」 投稿:Nさん(男性・東京都)
 ───────────────────────────────
 電子本「逢魔怪奇探偵団」は、実話怪談投稿を元に雲谷斎が大幅に読み物として執筆。





メルマガ登録(無料)はここから