本当にあった怖い話・不思議な話


実話怪談






逢魔が時物語メルマガに掲載した実話怪談投稿です








#14 目撃者



 長女が生まれて間もないある日の夕方。
 かみさんは台所にいて、自分ひとり居間でテレビを見ていた。

 すると、テレビが悲しいニュースを伝えてきた。
 痛ましく、おぞましい事件だった。

 犯人が車を盗んだところ、後部座席に幼い子どもが二人寝ていた。
 あろうことか犯人は子どもの一人を殺害し、もう一人は置き去りに。

 ニュースはその犯人が検問で捕まったと速報していた。
 犯人の供述にもとづいて、子どもたちの捜索が始まった、と。
 テレビには押収された盗難車両が映し出されていた。

 私たちにも、ちょうど子どもが生まれたばかりだったから、
 親御さんの心境は痛いほど伝わり、悲しい気分に満たされた。

 そこへかみさんが居間に入って来た。
 私はかみさんに「悲しい事件があったんだよ」と話し出した。
 ところが、かみさんのリアクションが奇妙だった。

 「悪い犯人だね、でも子どもは保護されたんでしょ? 
 良かったじゃない」と言う。

 何か変だった。
 かみさんに「なんでそんな結論になるんだ?」と尋ねた。
 すると。



 「えっ? だって、その車に子どもが乗ってるじゃない。
 助かった子どもたちなんでしょう?」




 まだ今は、殺害された子も放置された子も発見されていない。
 テレビに映る車に子どもが乗っているはずがないのだ。

 私は慌ててテレビ画面に向き直った。
 だが、もう車両は映っていなかった。
 ……さて、かみさんは何を『見た』のだろう。




  投稿 とりびーさん(男性・千葉県)
 ※メルマガ等掲載にあたり、雲谷斎が原文を全面的に訂正執筆しています。







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