本当にあった怖い話・不思議な話


実話怪談






逢魔が時物語メルマガに掲載した実話怪談投稿です








#17 父の叱責



 父が他界した後、私と兄は毎月の月命日の法要を欠かさず
 住職に来てもらって続けている。

 あれは新盆も終わった九月の終わり頃。
「もう少ししたら、またお坊さん来るんだよなぁ」
 兄と夜中にそんな段取りの話をしてから眠りについた。

 久々の金縛りに襲われてしまった。
 ここしばらく金縛りはなかったので、けっこう強く感じていた。

 ただ、慣れもあって、意外と冷静に対処できていたと思う。
 いつものように九字を唱えた。
 私は金縛りになると、心で九字を唱えると解けるのだ。

 しかし、今回は金縛りが解けない。
 九字を唱え続けていると逆に金縛りが強くなって苦しい。
 呼吸もしずらくなっていき、焦ってしまった。

 額から嫌な汗が流れるのを感じながら、落ち着く努力をする。
 やっと思いついたのが浄土真宗の正真偈だった。

 すぐ正真偈を唱え始めたら、徐々に体が楽になった。
 やっと金縛りが解けて、ほっとした時だった。
 いきなり頭の中に響くような声がした。



『お前の父親が心配で来ているのに、九字切るヤツがあるか!』



 親父の声だった。いや、親父の声だと思った。

(親父だったのか、すまなかった)
 私はびっくりして心の中で何度も謝った。




  投稿 S・Sさん(男性)
 ※メルマガ等掲載にあたり、雲谷斎が原文を全面的に訂正執筆しています。







メルマガ登録(無料)はここから