本当にあった怖い話・不思議な話


実話怪談






逢魔が時物語メルマガに掲載した実話怪談投稿です








#20 電車の隣席



 東京に住むRさんという女性が、電車の中で異様な体験をした。

 その日、友人とイベントに参加した。
 天気も良く、休日だったこともあって帰りの電車は混んでいた。

 運よく座席が空き、友人とともに七人掛けの真ん中に座る。
 足元の温かさと電車の揺れの心地よさに睡魔が襲う。

 友人も買ったばかりの本に夢中だった。
 居眠りをしたかったが、隣のおばさんの肘が脇腹に当たる。

 目を閉じて我慢しているうちに、眠りの世界へ落ちたようだった。
 何分か経った頃、ふぅっと目が覚めた。

 イベントの疲れか、倦怠感を感じていた。
 今どのあたりなのか、正面と横を向いて確かめようとした。

 すると、隣にはおばさんではなく小柄なお爺さんが座っている。
 寝てはいたが、駅に着いた記憶はない。
 いつ入れ替わったのかと思った。

 ただ、そのお爺さん、身なりがみすぼらしい。
 よく駅や公園で見かけるホームレス風なのだ。
 そのお爺さんが、横を向いたときに顔をぐっと近づけてきた。

 臭かった。垢と汗が染みついて発酵したような臭いだった。
 眠気も吹っ飛び、慌てて反対側の友人の方を向く。
 友人は相変わらず涼しい顔で本に熱中していた。

 友人に窮状を訴えようとしたとき、またあの臭いが……。
 顔をしかめつつ、恐る恐るもう一度左に視線を戻す。




 
すると、もうそこにお爺さんの姿は無かった。



 しかも、座っているのは、初めのおばさんだったのだ。
 何が何だかわからない。
 狐につままれたような感じでいっぱいだった。

 友人によると、自分が挙動不審なことには気がついていたが、
 薄汚いお爺さんに関してはまったく見てないという。





  投稿 ROSEさん(女性・東京都)
 ※メルマガ等掲載にあたり、雲谷斎が原文を全面的に訂正執筆しています。







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