本当にあった怖い話・不思議な話


実話怪談






逢魔が時物語メルマガに掲載した実話怪談投稿です








#24 長屋門の屋敷



 「村の奥にある大きな廃屋に行ってみないか?」
 友人からドキドキする誘いを受けた。

 小学生低学年だった私は興味津々だった。
 その廃屋は山梨県の某村にあり、懐中電灯や護身用にパイプを
 持って何人かで出陣することに。

 友人は気合が入っているのか、特大の肩掛けライトを持ってきた。
 我々は農道に自転車を停めた。

 土曜日の昼下がりなので、他所の小学生や中学生たちも何組か
 来ている。
 それほどここは有名になりつつあったのだ。

 まず、寂れた長屋門を潜ると屋敷の中に墓があった。
 昔は屋敷の庭に墓を作る家もあったようだが、不気味である。
 雑草で隠れた藪や縁側も陰気だった。

 玄関は三メートルもの間口があり、二階建てだった。
 どの部屋も荒れており、漆喰が無残に剥がれ落ちている。

 他の連中は母屋の一階にいた。
 台所や奥にある寝室、納戸をライトを使って探検していた。

 我々は広い裏庭にある土蔵に入った。
 中は蔓草が絡まり、昔の農機具や桶が散乱している。

 私が土蔵の二階へ上がろうとしていたときだった。

 「おい、こはやめよう! 出るぞ!」
 切羽詰まった様子で友人が叫ぶ。



 
そのとき友人が目にしていたのは、大量の女の髪の毛だった。



 床におびただしく散乱している。
 さらに壁には褐色に変色した血らしき物がこびりついていた。

 これにはゾッとしたのて、我々は母屋へと逃げ出した。
 母屋の中学生グループの中に先輩がいた。

 先輩に土蔵の話したところ、中学生グループも探検したことが
 あるという。
 やはり、得体の知れない不気味さを感じたらしい。

 また、その先輩は母屋の二階にある鏡台がヤバイとも話した。
 すると、それを聞いていた他校のグループが二階に上がった
 ことがあり、その鏡台を知っているという。

 鏡台には赤い布がかけられ、和服の女が悲しげに映るという噂。
 それを見た人は災いを受けるといわれており、
 先輩は絶対二階には上がらないようきつく注意した。

 同時に、一階の仏間にある仏壇も触れぬようにと。
 じつは、私は仏壇が開いているのを見ている。

 仏壇の中には、お経を書いた古い紙の束が置かれていた。
 仏間の床は抜けており、青竹がそこから伸び天井を貫いていた。

 床にはボロボロの手紙が散乱し、破れた障子紙が
 どこから入る風にフルフルと揺れていた。

 そんなことを思い出していると、いちばん奥まで入っていた
 連中が戻って来た。

 奥の廊下で、数人の女のグループに出会ったという。
 ただ、誰も女のグループなど見ていない。
 後でやって来て、探検に加わったとも思えなかった。

 しかも、その女たちはみな大人で、
 生気のない顔をして、無言で立っていたというのだ。

 勘が鋭い先輩が、全員にここを早く出るよう警告した。
 我々も走って自転車を停めたところへ戻る。

 なぜか、自転車がすべて倒れていた。





  投稿 うなぎ犬さん(男性・山梨県)
 ※メルマガ等掲載にあたり、雲谷斎が原文を全面的に訂正執筆しています。







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