本当にあった怖い話・不思議な話


実話怪談






逢魔が時物語メルマガに掲載した実話怪談投稿です








「夢の人形」



 ひろみつさんという男性が、仲間のTさんから聞いたという話。
 小学校三年の頃の体験だという。


 Tさんは、しょっちゅう見る夢があった。
 ある山深い村の夢である。
 とても平和で、着物を着た子供達がいつも遊んでいる。


 ただ、ある夏の夜に見た夢は、いつもと違っていた。
 轍のついた砂利道を歩いており、もうすぐ村へ着くところだった。


 辺りは不気味な雰囲気で、空は赤かった。
 道の先に祠があった。


 近づくとボロボロの祠で、蝶番が壊れている。
 観音開きの扉が開いていて、祠の中が見えていた。


 (ああ、これは見てはいけない……)
 そう思いながらも、つい中を見てしまう。


 中にあったのはボロボロになった市松人形。
 気持ち悪かったので、視線を外して祠の前を通り過ぎた。


 すると、カラカラ……ガチャッ! という音がする。
 思わず振り返ると、市松人形が道に転がり出ていた。


 (ヤバイ! だけど、走ってはいけない)
 そう思いながら、とにかく速足で歩いた。


 すると、後ろからチャリチャリとついてくる音がする。
 こっちが速足になると、向こうも速足になる。


 耐えられなくなり、パニくって叫びながら走った。
 振り向くと、人形が飛ぶような勢いで追いかけてきている。


 あっという間に追いつかれ、人形はばっとジャンプした。
 がぶりとお尻のつけ根に噛みついてくる。


 そこで夢から目が覚めた。


 汗びっしょりで布団の上に座っていた。
 放心状態だったが、夢だったのかと安心した。


 汗ずくのパジャマを着替えようと脱いでいると、右足に痛みが。
 よく見ると、右足に血が滲んでいる。


 なんだ? と思って、無理な態勢で覗いていると……。




 右足の尻の付け根に、
 ハッキリと噛み痕 がついている。




 血はそこから滲んでいた。
 夢と現実が入り混じってしまい、彼はトラウマになった。





  投稿 ひろみつさん(男性・大阪府)
 ※メルマガ等掲載にあたり、雲谷斎が原文を全面的に訂正執筆しています。









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