本当にあった怖い話・不思議な話


実話怪談






逢魔が時物語メルマガに掲載した実話怪談投稿です








「トイレの事件」



 小学生の頃、九重さんという男性は『花子さん』遊びをした。


 当時、沖縄のS川小学校に通っていた。
 あれが起きたのは六年生の時だったと思う。


 友達たちと一緒に、職員室の男性トイレの清掃をしていた。
 岡田君(仮名)と私は一緒に床掃除。
 中野(仮名)さんは個室に入って、便器を拭いていた。


 沖縄でも都市伝説が流行っており、テレビの番組もあった。
 トイレ掃除に飽きてきた頃、
 岡田君は『トイレの花子さん』をしようと誘ってきた。


 私たちが悪だくみをしていた時、中野さんは個室の扉を閉めて
 掃除をしていた。


 私たちは遊び半分で、その個室の扉をノックした。
 「花子さ~ん、遊びましょ~」
 できるだけ声を低めて何度か聞こえるように言う。


 しかし、何の反応もないし、何の返事もない。
 静かなトイレの中なので、個室の中には聞こえているはず。


 個室の中で、中野さんは掃除を続けているのだろうか。
 仕方ないので、中野さんに個室から出てくるように言った。


 これにも返事がなかったので、怒って無視してると思った。
 もう一度大声で出てくるように叫んだ。




 やはり……
 
声も返ってこないし、
      気配さえも
消えている。




 私たち二人は、ぴっちりと閉まった個室の前で寒気を覚えた。
 これは何かヤバイことが起きていると思った。


 「花子さん、ごめんなさい。花子さん、ごめんなさい……」
 何度も謝った。


 やっと寒気が治まると、突然、個室から中野さんが出て来た。
 「ふぅ~、やっと終わったよ~」
 何事もなかったかのように笑いながら言う。


 私と岡田君は唖然とした。
 二人で『花子さん』をした事を話しても、きょとんとしている。


 個室の中では何も聞こえなかったし、何も感じなかったという。
 あれほど大声を出したのに、それも聞こえてないというのだ。


 鳥肌が立った。
 中野さんが怒って、一切を無視していたとは考えにくい。
 それとも、もしかして本当に花子さんが居たのか……。





  投稿 九重さん(男性・沖縄県)
 ※メルマガ等掲載にあたり、雲谷斎が原文を全面的に訂正執筆しています。









怪談メルマガを読む!    怪談文庫本を読む!
メルマガ登録(無料)   全シリーズをチェック