本当にあった怖い話・不思議な話


実話怪談






逢魔が時物語メルマガに掲載した実話怪談投稿です








「居残りの怪異」



 これは東京中野区にある某専門学校へ通っていた、
 ユーアさんという男性が体験した話。


 当時、インテリアデザインの専門学校へ通っていた。
 こういう系統の学校は課題がとても多い。


 その日も課題が重なり、授業中の作業だけでは間に合わない。
 仕方なく、放課後に居残り作業をすることにした。


 独りで残るのも寂しいので、友人の伊藤(仮名)君を誘った。
 彼も少しやり残したことがあり、二人で作業しはじめた。


 私の席の真後ろに伊藤君の席があり、縦に並んだ形になる。
 課題は『製図』だったので、俯き加減の姿勢になった。
 だから、お互いの姿は見えない。


 図面を書くことに集中して、かなりの時間が経った。
 それは突然だった。




 床をすぅーっと、何かがのを目の端で捉えた。




 同時に、誰かが席の横を通り過ぎたような気配を感じた。
 (あれっ? 誰か来たのか……?)


 ふとそう思った瞬間だった。
 ウゥゥゥゥゥゥ~……、低い唸り声のようなものが聞こえた。
 私は思わず振り返って伊藤君に訊いた。


 「おい、今、何か言った?」
 「いや、何も言ってないけど、ウ~~って聞こえたよな?」 


 「お前もか? それから人の気配を感じなかったか?」
 「ああ、誰か横を通ったよな?」


 後ろの伊藤君もまったく同じ体験をしている。
 薄気味悪さを感じた私たちは作業をやめ、大急ぎで教室から逃げた。


 これで事なきを得たのだが、ひとつ気になることがあった。
 それは伊藤君がこの日、朝学校に来るなり言ったこと。


 「今日は日が悪いよ。日が悪いんだよ」


 訳のわからないことを口にしていた。
 居残りに誘ったときも、日が悪い、日が悪い……と。


 ああいう奇妙な体験をしてしまったということは、
 確かに日が悪かったのかも知れないと思う。


 伊藤君は、朝から何かを感じていたのだろうと思う。





  投稿 ユーアさん(男性・埼玉県)
 ※メルマガ等掲載にあたり、雲谷斎が原文を全面的に訂正執筆しています。









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