本当にあった怖い話・不思議な話


実話怪談






逢魔が時物語メルマガに掲載した実話怪談投稿です








「疾走」



 当時、私は静岡県の掛川市に住んでいた。
 ここからは通勤に片道1時間以上はかかる。


 三年間は我慢したが、会社の近くにアパートを探すことにした。
 見つけた古いアパートは、そこだけ鬱蒼としていて暗い感じ。


 部屋は1階のいちばん隅だった。
 しばらくは何もなかったが、3ヶ月を過ぎると異変が起き始める。


 それは和室の天井だった。
 夜中、寝ていると天井を何かが端から端へと走る音がする。


 初めは、それは小動物だと思っていた。
(なんだネズミか、どんだけ古いんだよ)と半ば呆れていた。


 何日か経つと、それはネズミではないかも知れないと思った。
 いつも同じ時間、同じ場所から同じ場所へ駆けていくのだ。
 そんなネズミの習性など聞いたことがない。




 カサカサ……カツカツカツ……!
 天井の同じ対角線を、時間が来ると走りはじめる。





 何度も立て続けにという訳ではない。
 しばらく間を置いて、また再び走り出すのだ。


 毎日ではないが、四日に一度は続いた。
 気になってぐっすり眠れない日もあった。


 その他にも奇妙なことが頻発したので、かなり嫌気がさしていた。
 お盆休みになり、実家へ戻った私は1週間アパートを空けた。


 休みが終わり、嫌々ながらアパートに戻る。
 部屋のドアを開けると、水の腐ったような臭いがする。


 臭いの元を探すが、玄関、廊下、居間には何もない。
 風呂、トイレ、台所の水回りにも異常は見当たらなかった。


 最後に、いちばん奥の和室の襖を開けた。
 すると!


 なんと、青カビが畳六畳分、びっしりと生えていた。
 天井の物音と青カビの関連は不明のまま、即刻部屋を解約した。






  投稿 ゆきちゃんさん(男性・静岡県)
 ※メルマガ等掲載にあたり、雲谷斎が原文を全面的に訂正執筆しています。









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