本当にあった怖い話・不思議な話
逢魔が時物語


<本 編-2010>






∴‥∵‥∴‥∵ 伐採 ∵‥∴‥∵‥∴


投稿:魔物怪さん(男性)
編集:雲谷斎



かなり昔、白鷺城で有名な街からわりと近い山の中で、

砂防ダムの工事をしていた時のこと。



工事の前に、伐開という作業をしていた。

すると、工事現場の上にあるホテルの支配人とバスの運転手が、

現場監督の私のところへ真剣な顔つきでやって来た。



「監督さん、すみませんが、この木を斬ってもらえませんか?」

唐突に、伐採の予定のない木を指して言う。

なぜかと訊くと、信じ難いことを言い出した。




 この木の枝のところに
   『出る』というのだ……。




夜の十時を過ぎると、女性の客が怖がってバスに乗らないと。

じつは、着工前の現場内で、過去に自殺者が三人もいたらしい。

その遺体を仮安置したのが、この木の根元だったそうだ。



その事実を伏せて、作業員にその木を斬らせた。

私は自殺したという場所を聞き、作業員たちに見られないよう、

塩と酒で供養した。



その夜のこと。

仕事疲れで、眠れば朝まで起きない私が二時頃に寝苦しさで

目を覚ましてしまった。



すると、コン……コン……、窓ガラスがノックされた。

雨戸を閉めている内側の窓が、ノックされたように何度も鳴る。



さすがに気持ち悪く、電気を点けて鳴った窓を見たが、

室内に何も当たるようなものはない。



その時思い出したのが、自殺者のこと。

もしかして、自殺者の霊が供養の礼にでも来たのかと思った。



(もしそうなら、続けてノックしてください)

口には出さず、頭の中でそう話しかけた。



その途端だった。

コンコンコンコン……コンコンコンコン!

窓ガラスが、連続して鳴ったのだ。



これには参った。

私は怖ろしくて、布団を抱きかかえて、向かいの兄の部屋に飛込んだ。




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          <本編「伐採」データ>

 ■原作投稿者:魔物怪さん(男性)
 ■2010年度 読者が選ぶランキンランキン第4位  69.14点
 (2010年発行逢魔が時物語」メルマガ掲載話の読者採点結果)

 投稿された話を大切にしながら、雲谷斎が加筆・執筆しました。
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