本当にあった怖い話・不思議な話
逢魔が時物語


<本 編-2010>






∴‥∵‥∴‥∵ 泥棒 ∵‥∴‥∵‥∴


投稿:Baryさん(男性)
編集:雲谷斎



Hさんが高校生の頃、帰宅すると母親は用事で外出していた。

帰るのは夜遅くなるので、これで出前を取るようにという書き置き
と千円が置いてあった。

さほど腹も空いてなかったので、出前は取らず家の残り物で
適当に食事をとり、お金は自分の小遣いにした。

夜も更けて、二階の部屋でHさんは寝床についた。
ウトウトしていると、階段から人が上ってくる気配を感じた。

母親が帰ってきて、自分の様子を見に来たのだと思った。
起きるのが面倒だったので、狸寝入りをしてそのまま目を
閉じていた。

しばらくすると、気配で母親が部屋に入ってきたことがわかった。
そこで、おかしいことに気づいた。

部屋の入り口は襖になっている。
風が通るように十センチほど開けていたが、襖を開いた音が
しなかったのだ。

(これは母ではない、きっと泥棒だ!)
そう思った。

泥棒が音を立てずに侵入して来たのだと思い、気づかない振りを
貫こうと思った。

泥棒は真っ直ぐベッドの横まで歩いてきて、立ち止まった。
自分が起きていることに気づかれたら、何をされるかわからない。
恐怖に耐えて、じっと耐えていた。

すると、泥棒は自分を乗り越えて、ベッドの反対側にある窓の方へ
行こうとしている。
窓から出て行くつもりなのだろうか。

自分の上を乗り越えていく泥棒に恐怖を感じながらも、
通り過ぎてから、せめて後ろ姿だけでも見てやれ、と思った。
Hさんはそっと薄目を開けた。




だが……そこには何もいない、何も見えなかった。
        




見えないにも拘らず、確かにそこに人の気配を感じた。
しかも、見えないその気配と、直感的に目が合ったと思った。

そう思った瞬間、強烈な金縛りになってしまった。
幸い、金縛りになっただけで他には何もなかったが、
目の合った瞬間の気配は、とてつもなく怖ろしかった。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 
         <本編「泥棒」データ>

 ■原作投稿者:Baryさん(男性)
 ■2010年度 読者が選ぶランキンランキン第7位  68.33点
 (2010年発行逢魔が時物語」メルマガ掲載話の読者採点結果)

 投稿された話を大切にしながら、雲谷斎が加筆・執筆しました。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






本、CDなど、コワイもの逢魔売店にあります


本当にあった怖い体験談を募集しています
読者3万人が震えるメルマガ逢魔が時物語