本当にあった怖い話・不思議な話
逢魔が時物語


<本 編-2010>






∴‥∵‥∴‥∵ 体調不備 ∵‥∴‥∵‥∴


投稿:ふわさん(男性)
編集:雲谷斎



調子が悪く、体が重い日々が続いていた。

夏バテという感じではなく、なんと言ってよいのかわからない。
八月の後半くらいのある日から突然調子が悪くなった。

もともと不眠症に悩まされていたので、かなり辛かった。
九月になっても、いつものように眠れない私は本を読んでいた。
好きな怪談本である。

ベッドに横になり、右側の壁を向いて読み始めたのは三時過ぎ。
辺りはシーンと静まり返り、ページをめくる音だけが響いていた。
読み始めて数十分が過ぎた、午前四時頃か……。





         
突然、私の耳元で……聴こえた。
ウゥゥゥゥゥ……




消え入るような、細くかつ苦しそうな男の声。

部屋には当然私しかいないし、家族は起きているはずもない。
耳元だったので、この世のものではないことは明らかだった。

ドキッ! としたが、初めてあっち側の声を耳にした訳ではない。
だから、それほど動揺はなかった。

ただ、よく考えてみると、耳元で聴こえたということは、
そこに顔があったということ。
つくづく見えなくて良かったと思った。

翌日の夕方、テレビを見ていると、関東のS県で起きた殺人事件の
ニュースが流れていた。

ある男性教師がくだらない事件を起こして、
加害者から逆に恐喝されて、暴行殺害されたというものだった。

東海地方に住む私にとっては、遠い話のはずだった。
だが、映像に映る死体遺棄現場には記憶がある。

ニュースでも、東海地方の山の広域農道に死体を遺棄したと
報道している。
どうやら近くのようだった。

そういえば、昼間ちょうどその辺りを通った時、
数台の報道車と二機のヘリが飛んでいたのを思い出した。

第二東名の工事現場近くだったので、公共工事の白紙撤回のニュースが
世間を騒がせていたので、その報道かと思っていた。
よく考えると、警察の車輌や警官も多かったように思う。

その道は仕事上もよく通る。
特に死体が遺棄された八月の中頃には、日に何回か通っていた。

……そういうことだったのか、と思ってゾッとした。

あの苦しげでか細い声の主は、殺された被害者だったのか……。
よく通る私に、『見つけてくれ』と言って居たのかも知れない。

遺体発見の日を境に、重かった体が急に軽くなり、体調が回復した。




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         <本編「体調不備」データ>

 ■原作投稿者:ふわさん(男性)
 ■2010年度 読者が選ぶランキンランキン第9位  66.13点
 (2010年発行逢魔が時物語」メルマガ掲載話の読者採点結果)

 投稿された話を大切にしながら、雲谷斎が加筆・執筆しました。
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