本当にあった怖い話・不思議な話
逢魔が時物語


ここは「聴」の部屋です




−ボーイソプラノ−


■■■C・Fさん(女性)からの投稿■■■




   私は小学3年から、担任のH先生にヴァイオリンを習っていました。
   親友のSさんはお金持ちで熟に通って、ピアノを習っていたのですが、
   私は音感がよいとかで、H先生が無料で教えてくれていました。

   その学校は音楽に力を入れていて、NHKのコンクールにもよく出場し、
   入賞もしていました。
   私たちが5年生になったとき、1年下にとてもきれいなボーイソプラノの
   持ち主が入部してきました。

   透明感のある素晴らしい声で、先生も私とSさんも夢中になり、彼のために
   「流浪の民」や「禿山の一夜」など、難しい曲を声に合わせて伴奏しました。
   彼の声とSさんのピアノ、私のヴァイオリン。

   いつもいつもトリオで練習しました。
   声もいいのですが、とても繊細でどういう訳か彼はいつも私にくっついて
   いました。

   小学生では1才の違いも大きいので、本当に私は姉のように可愛がって
   いました。
   私たちが中学へ移った年、つまり彼が小6の時、NHKのコンクール合唱
   の部で優勝しました。先生と一緒になって大感激しました。

   その後、少年が中学に来るのを楽しみしていた矢先、彼が「ダッソ」
   という病気になったと聞きました。

   なんとか退院して、松葉杖をついて学校に戻ったとき、なぜ声をかけて
   あげられなかったのか悔やまれます。
   思春期とか入試のこととか、気恥ずかしさなどだったと思うのですが、
   辛かったと思います。寂しさもあったと思います。

   ときどき松葉杖で歩く彼を見かけたりしましたが、私が中学を卒業した年、
   彼はガス自殺をはかり亡くなりました。
   彼のお父さんは、一晩で髪が真っ白になりました。ビックリしました。

   ……それからです。
   私がH先生のところでヴァイオリンのお稽古をしてると、必ずそれに
   合わせるように、



        
彼の澄んだボーイソプラノが聞こえてくるのです。



   「先生、彼の声が聞こえる」何度、訴えたか……。
   「空耳じゃないの?」って、先生は取り合ってはくれませんでした。

   先生は転任になり、私は自分の限界を知り、ヴァイオリンは止めましたが、
   彼の声は今でも時々聞こえるのです。
   時には肩をそっと触って「ククッ」っと笑ったりします。

   私は彼が肩先で「ククッ」と笑うとき、一緒になって「ニコッ」てします。
   そして、自分の肩(彼がソッと触れたところ)に手を重ねるように触ります。

   恐くはありませんが、その度に彼のお父さんの一夜にして白髪になった
   ことを思い出し悲しくなります。
   そのお父さんも、今は物静かなおじいさんになっています。  (kk430)






本、CDなど、コワイもの逢魔売店にあります


本当にあった怖い体験談を募集しています
読者3万人が震えるメルマガ逢魔が時物語