本当にあった怖い話・不思議な話
逢魔が時物語


ここは「感」の部屋です





−祖父が立つ−


■■■Tombowさん(男性)からの投稿■■■



   私の父方の祖父が死んだのは、私が小学校5年生の時でした。
   父の実家は寺で、寺の葬式というのはいずれもそうかもしれませんが、
   祖父の葬式は非常に明るいものでした。

   寺の関係者は日常的に死というものに接しているせいなのでしょうね。

   寺には本堂とは別に家庭用の仏間があり、祖父が火葬場で焼けるのを待つ間、
   その仏間で祖父の思い出話の中で、笑える話を皆で語っては大笑いをしてい
   ました。

   その仏間の仏壇は、普段大きな観音開きの扉で閉じられております。
   皆で談笑していると、



        
その扉が「ギィー」と、
        
乾いた音を立て勝手に開いたのです。



   私の叔父は、
   「お、焼けたらしいな。おじいさん、帰って来たった(兵庫の方言。来たの
   敬体)で」
   と、こともなげに言ったので、私もそんなものかと思いながら、少し薄気味
   悪くなったものです。

   その夜、私の父は神戸に仕事に出かけ、神戸のホテルに泊まりました。
   私と姉と母の3人は家に帰りました。

   祖父が亡くなって、私も姉もなんだか人恋しく、その日は両親の寝室で
   眠ることにしました。

   ふだん父が寝ている場所には姉が眠りました。
   午前2時頃、姉は足元を何者かに押さえつけられる気配を感じ、
   目を覚ましたそうです。

   そして足元を見ると、祖父が立って姉をじっと見下ろしていたそうです。
   よく枕元に立つとか言いますが、姉の場合は足元だったそうです。
   しかし、姉は怖いと感じることはなかったそうです。

   そして、何か言いたげな祖父の目を見たとき、祖父は父に(つまり祖父の
   息子に)会いに来たのだと姉には分かったそうです。

   そして、姉は心の中で、
   「ごめんね、おじいちゃん。お父ちゃん、今日は神戸におってやねん
   (神戸におられるのよ)。ここにはおってやないの」
   そう語りかけたそうです。

   すると祖父は小さくうなずき、そのままどんどんと遠ざかっていった
   そうです。

   その部屋の壁を通り抜け、次第に小さくなっていく祖父の姿が姉には
   はっきり見えたそうです。

   その姿を見送ったとき、姉は何とも言えない安堵感に包まれたそうです。
   残念ながら姉の横で眠っていた私は、その祖父の姿も気配も感じることなく
   眠りこけていました。

   姉がそんな奇妙な経験をしているちょうどその頃、父は神戸のビジネス
   ホテルのデスクに向かい仕事をしていたそうです。
   そして、ふと後ろに妙な気配を感じたそうです。

   振り返った父の目には何も見えなかったそうですが、そこに確かな気配を感じ
   やはり奇妙な安堵感に包まれたそうです。

   この話は、他人にとっては気味の悪い話かもしれません。
   しかし、私たち家族にとっては、家族は死んでからもつながりが持てるのだ
   という気持ちになれる、ちょっとうれしい話なのです。
                                 kn554







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