本当にあった怖い話・不思議な話
逢魔が時物語


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−豊島の女−


■■■policygontaさん(男性)からの投稿■■■


   夏がくるたびに思い出すこと。

   小さい頃、両親に連れられて瀬戸内海にある豊島(てしま)によく行った。
   叔母がそこにいるので夏になると海水浴に行った。

   豊島は産業廃棄物で有名!? になってしまった島だが、当時はまだ
   そんなものなくて海で泳げたんだ。
   私はまだ小学校の低学年だったが、足ひれをつけたらいくらでも泳げる
   自信があった。

   瀬戸内海は遠浅で、ずいぶんと沖までいかないと深くならない。
   私はとにかく沖へ出発した。

   何百メートル離れたか定かではないけれど、まだ小さかった私は少々
   不安感を感じて岸へ方向を変え泳ぎ出した。

   岸はずいぶん小さく見えた。
   海の家が小指の先よりも小さく見えた。
   私は体力的な不安感から少し焦りながら泳いでいった。

   でも、一向に岸が近くならない。沖へ沖へ流されていくようだった。
   水中眼鏡に水が入り目が痛くなり、ますます焦って泳いだ。
   そんな時、突然目の前に顔が現れた。多分、女の人だと思う。



       
目がぎょろっと大きくて、無表情に私を見ていた。



   髪の毛はまるで海草がくっついているようなそんな感じだった。
   私は怖さを感じ、とっさに海に潜り右へ方向転換して再び水面に上がった。

   左手側を振り向いたが、人の頭らしきものはなかった。
   私は何度も後ろを振り返りながら岸を目指し、なんとか足の届くところ
   まで着いた。

   今でも、あの人の表情は忘れない。
 
                                (sh560)







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