本当にあった怖い話・不思議な話
逢魔が時物語


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ひだる神


■■■京野れんげさん(女性)からの投稿■■■



十年ほど前、友達と三人で奈良の大神神社へ行きました。
あの神社は三輪山という山そのものを御神体として崇める、
古来からある神社です。

もちろん、三輪山にも登るつもりでいたので、
参拝許可をいただき、見るからに怪しげな参拝用の札を
首にかけて登っておりました。

頂上近くなった頃、急に私の体に異変が起こりました。
突然の空腹です。

おなかが空いてきたな〜と思ったら、目の前がぐるぐると
回り始めて、その場で立っていられなくなりました。

一緒にいた友達はすぐに私の異変に気づき、
近くに倒れていた木に座らせてくれました。

「何か食べないと死にそうだから、お弁当にしようよ」

私は友達に頼んだのですが、登る前にみんなで約束して
いたのです。
頂上に行って、神様にお弁当をお供えしてから食べましょって。

だから、友達は首を立てに振りませんでした。
それでも、私は何か食べないと本当に死にそうな状態でした。

朝ごはんもきちんと食べてきたし、神社の前で流しそうめん
大会をしていたので、それも食べたし……。

友達二人は仕方なくお菓子を取り出して、私の口に入れました。
「神様、ごめんなさい……」
と言いながら、私はそれを食べました。

しばらくすると元気を取り戻し、無事に頂上までたどり着く
ことが出来ました。
そして、山を下りて帰るまで元気いっぱいでした。

あれはいったい何なんだったのだろう……。

ずっと考えていて、何年かした後に妖怪の本を見ていて、
理解できました。



  
どうやら、「ひだる神」の仕業だったようです。



「ひだる餓鬼」とも呼ばれる妖怪なのだそうですが、
餓死した者の魂が集まってできたらしく、時々旅人などに
憑依するらしいのです。

憑依されるとものすごい空腹に襲われ、動けなくとか。
この妖怪の話が伝わる地方では、弁当を一口分だけ
残しておく習慣があるそうです。

ひだる神に憑かれたら、それを食べるようにするためです。
それにしても、私が遭遇したのは本当に「ひだる神」
だったのでしょうか……。

                        
yo2492







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