本当にあった怖い話・不思議な話
逢魔が時物語


ここは「妖」の部屋です





−綿毛−


■■■結花さん(女性)からの投稿■■■



私は小学五年生まで、山に囲まれたとある「村」に住んで
いました。

自然の中でずっと暮らしてきましたので、
目の前を突如キジが通ったり、イタチが通ったり、
謎の石碑が林の中にポツンとあって友達と逃げ帰ったり。

車の窓半分以上を埋め尽くすほどの大きな真っ赤な月を、
盆踊りの帰りに車の中で弟と見たりしていたので、
驚くような現象も、けっこう当たり前のこととして捉えて
いたように思います。

でも、ファンタジー小説もビックリの真っ赤な大き過ぎる
月よりも、印象深い出来事があります。

その日は土曜日で、学校が昼までだったので、
弟と祖母と一緒に庭でのんびりしていました。

ちょうど春の花曇の日だったと思います。
風はめずらしく吹いていませんでした。

遊んでいると、ふと目の前を綿毛が横切りました。
「?」疑問に思って空を仰ぐと、空を覆いつくさんがばかり
の大量の綿毛がそこらじゅうに舞っているではありませんか。

「???」
それは私の前を横切り、弟や祖母の周りを横切り、



 
まるで大雪のように、視界が綿毛だらけになりました。



ただでさえ花曇なのに、綿毛が大量なので
四方八方真っ白です。

一つ手に取ると、まるでキーホルダーについている綿毛の
ようにまん丸で、あるはずの種子がありません。

けっこう大きくて正確に計ってはいませんが、当時の掌と
比較してみて五センチぐらいのような気がします。

それは、目の前の光景に魅せられて呆然と見つめていた
私達の前で、少しずつ少なくなって、やがて消えて
ゆきました。

あんなにめちゃくちゃあったのに、私達の身体にも
洗濯物にも樹木にさえ、一枚も引っ掛かっていません。

そして恐るべきことに、私達はそれを当たり前のこととして
受け取って、また遊び始めたのでした(笑)

あの出来事を思い出す度に、
あれは「ケセランパサラン」だったのではと思います。

幸せを招くというその綿毛候補を見られただけでも、
幸せだったのでしょうか……?

                        
yo2542







本、CDなど、コワイもの逢魔売店にあります


本当にあった怖い体験談を募集しています
読者3万人が震えるメルマガ逢魔が時物語